デルタ多面体を三角錐に分解する問題:任意の多面体をデルタ多面体に転換することは容易に可能だが,多面体→デルタ多面体の変換には多義性がある.つまり,デルタ多面体には三角錐に分解できるものとできないものがある.それをどのように識別するか?それが問題だ.平面グラフと多面体は等価であると考えられるので,グラフ理論上の問題として考えるのが妥当かもしれない.平面グラフについて少し考えてみよう.
①平面的グラフ:平面的グラフは球面など種数0の曲面に描けるグラフと同値である.②平面グラフにおいて,辺で囲まれた極小な領域を面という.有界な面を有限面,そうでない面を無限面と呼ぶ.③オイラーの公式:種数gの曲面S上に描かれた連結グラフがSをf個の領域に分割しているとき,|V|-|E|+f=2-2g.③ワグナーの定理:グラフが非平面的であるのは,K3,3またはK5を部分グラフとして含むときかつそのときに限る.④クラトフスキーの定理:グラフが平面的グラフであるための必要十分条件は5角形グラフあるいは6角形グラフに縮小し得るようなグラフを元のグラフが含まないことである.⑤四色定理:平面グラフは4色で彩色できる.⑥2連結3平面正則グラフは1因子分解できる.これは四色定理と同値.
外平面的グラフ:すべての頂点が無限面の回りにくるように描ける平面的グラフ.このうち,辺集合が極大となっているものを極大外平面的グラフと呼ぶ.極大外平面的グラフには切断点がなく無限面以外の面がすべて三角形になるように平面描画できる.
タットの定理:グラフGが完全マッチングを持つのは頂点集合Vの任意の部分集合Uに対し,V-Uの導出部分グラフの奇数個の頂点を持つ連結成分の個数が高々|U|であるとき,かつそのときに限る.→ガライの補題