さて,部分群の列挙の続きをやろう

さて,部分群の列挙の続きをやろう.現状ではA5の部分群として76個我列挙されている.内訳は,■群A5は76個の部分群を持つ合成群である■位数2X1 位数3X1 位数5X1 位数6X4 位数10X3 位数12X64 飽和=58.まだ,列挙というには程遠い状況だ.ともかく,重複を弾くところから入ることにする.⇒今度はだいぶいい感じになってきた.■群A5は62個の部分群を持つ合成群である■位数2X15 位数3X20 位数5X24 位数12X1 飽和=1.ただし,位数4, 6, 10 の部分群が消えてしまった.

その代わり位数3が本来10個のところ,20個も生成されている.論理ミスがあった.修正して,■群A5は17個の部分群を持つ合成群である■位数2X1 位数3X1 位数5X1 位数6X5 位数10X2 位数12X5 飽和=58のように変わっった.今度は17個まで減ってしまった.seed1, seed2だけを除外するようにしたら,元の76個に戻ってしまった.(seedがダブらないようにループしているのだから当然だが)そもそも,この位数1:1,位数2:15,位数3:10,位数4:5,位数5:6,位数6:10,位数10:6,位数12:5,位数60:1,合計:59 という数字はどこから拾ってきたものだろう?

⇒この数字の出所は以下のURLだ.

http://mathweb.sc.niigata-u.ac.jp/~hoshi/2007/gap-hoshi.pdf

タイトルは「GAPを使ってみよう」となっている.新潟大のサイトだが,筆者の所属は早大だ.筆者の星明考氏は新潟大理学部教授で「群論序説」という本を書いている.

シードが1個だけの場合も部分群にカウントするようにして,以下の結果を得た.■群A5は135個の部分群を持つ合成群である■位数2X16 位数3X21 位数5X25 位数6X4 位数10X3 位数12X64 飽和=58.かなり網羅的になってきたように思われる.不足しているのは,位数4:5(▼5),位数6:10(▼6),位数10:6(▼3)だけになった.この方法で位数4がまったく出てこないのはなぜだろう?位数4は分解しないと得られないのだろうか?

シードを1個追加したときに群とならない場合でもシードを追加するようにしてみたが,結果は変わらなかった.■群A5は135個の部分群を持つ合成群である■位数2X16 位数3X21 位数5X25 位数6X4 位数10X3 位数12X64 飽和=58 まぁ,当然かもしれない.部分群を再分解してみたが,位相4という部分群は出てこない.なぜだろう?まず,これを取り出す方法を考えた方がよいのではないか?

A5の位数3の部分群は{e,(123),(132)}で,共役部分群は10個ある.A5の位数4の部分群は、{e,(12)(34),(13)(24),(14)(23)}で,共役部分群は5個.A5の位数3,4の部分群はp-Sylow群.部分群がp-Sylow群でない場合には互いに共役でない部分群が存在する可能性がある.

Elsieの出力する置換リストには{e,(12)(34),(13)(24),(14)(23)}の記載がない.いや,これは意味が違うのではないか?これは「生成元の集合」であり,むしろ,〈e,(12)(34),(13)(24),(14)(23)〉と書くべきものだろう.つまり,位相4の部分群の生成集合の位数は4である.⇒いや,読み違えている.{e,(12)(34),(13)(24),(14)(23)}というのはそのものずばり,位数4の部分群だ.

位数と指数の関係:|G:H|=|G|/|H| ラグランジュの定理

A4と位数12の部分群HではHの指数は60/12=5となる.

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