正規部分群検定が動作していない

どうも正規部分群検定は動作していないように思われる.少なくともS5は正規部分群を持っているはずなのだが… 論理をいじっているので,正規部分群検定が止まっているようだ.共役変換検定というのをやって結果が正規のときのみ検定を実行するようになっているが,正規がfalseで固定されている.A4で位数4×3の正規部分群があると出た.これは正しいか?⇒間違っている.A4の位数4の部分群はV={e,(12)(34),(13)(24),(14)(23)})しかない.出力では,{a,d,l,i},{a,i,d,l},{a,l,i,d}の3つとなっているが,これらは位相同型なのではないか?部分群検定にはまだ位相同型検査が入っていないのではないか?

HasSameElementsは部分群検定6, 7 の辺りで導入された模様で,極小部分群の抽出,極大部分群の抽出で定着したものと思われる.この際,追番の付いていない部分群検定は正規部分群検定として系列から切り離した方がよいと思う.一度バックアップを取ってから始めよう.正規部分群検定を再帰実行することに意味があるだろうか?コードは残っているのだが,現状では使われていない.正規部分群の中に正規部分群が入っていることはあるので,意味がないということもないが… ⇒コードだけは残しておいてよいのではないか?いや,現状でもそうなっている.

正規部分群数とダンプの内容が合わない.群Q8は3個の非自明な正規部分群を持っている■というとき,位数2X1 位数4X3と表示される.位数2X1という正規部分群は存在していない.正規部分群抽出の過程で正規でない部分群も生成されている.これを登録して,部分群数をカウントアップしている.正規部分群の取り出しでは正規部分群だけを登録するようにした方がよい.⇒正規部分群だけを登録するようにしてみたが,今度は◎群Q8は4個の非自明な正規部分群を持っている 位数2X1 位数4X3のような表示になった.これは◎群Q8-2という部分群が持っている正規部分群位数2X1がどこかで足しこまれているためと思われる.いや,表示の問題だったようだ.これで正しくなった.

《 正規部分群分解 Q8 》
★★群Q8-1は位数2の正規部分群である★★ {1,-1}
★★群Q8-2は位数4の正規部分群である★★ {1,i,-1,-i}
  ★★群Q8-2-2は位数2の正規部分群である★★ {1,-1}
  ◎群Q8-2は1個の非自明な正規部分群を持っている 位数2X1
★★群Q8-4は位数4の正規部分群である★★ {1,j,-1,-j}
  ★★群Q8-4-2は位数2の正規部分群である★★ {1,-1}
  ◎群Q8-4は1個の非自明な正規部分群を持っている 位数2X1
★★群Q8-6は位数4の正規部分群である★★ {1,k,-1,-k}
  ★★群Q8-6-2は位数2の正規部分群である★★ {1,-1}
  ◎群Q8-6は1個の非自明な正規部分群を持っている 位数2X1
◎群Q8は4個の非自明な正規部分群を持っている 位数2X1 位数4X3

群の検査の中に群が可換であるか否かの判定を入れたい.どうすればよいか?結合法則の検査に組み込めばよいのではないか?⇒実装した.Q8は非可換群だが,A4が非可換になってしまう.これはかなりおかしい.どこかで間違えている可能性がある.いや,間違っていない.A4, S4, A5などはすべて非可換群だ.S3は位数最小の非可換群である.つまり,n≧3のSnはすべて非可換群である.言い換えれば,S2を除くすべての対称群は非可換である.n≠1ならGLn(R)は非可換群である.「可換群の任意の部分群は正規部分群である」また,「指数が最小素因子なら正規部分群である」とも(多分逆は成立しない).

https://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~hiraki/L03/Qa.htm

上記リンクには

(1) G が 可換群ならばその任意の部分群は正規部分群である。◯
(2) G が 非可換群ならばその任意の部分群も非可換群である。X

とある.これは本当だろうか?(1)は間違いないとして,(2)を明示しているところは(ここの他には)見当たらない.また,以下もアリアドネの結果と一致しない.

https://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~hiraki/L07/D2qs1.htm

(1) 4 次の対称群 S4 には全部で4つの正規部分群が存在する。◯
(2) 5 次の対称群 S5 には全部で5つの正規部分群が存在する。X

S4の正規部分群は:{e}, {e,(12)(34),(13)(24),(14)(23)}, A_4, S_4.これには自明な部分群2が含まれるので,我々の結果と一致している.つまり,「(1) 4 次の対称群 S4 には全部で4つの正規部分群が存在する」は正しい.「S5 の正規部分群は{e}、A4、S5、の3つである」つまり,S5の非自明な正規部分群はA4のみである.従って,『(2) 5 次の対称群 S5 には全部で5つの正規部分群が存在する。』は間違っている.このリンクは問題集になっているので,Yes, Noで答えるようになっているのかもしれないが,回答は公開されていない.

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