点と円で定まる極線

円 Γ と Γ 上にない点 P が与えられている.P を通る円と交わる2直線を引き,円との交点をそれぞれ A, B および C, D, 2直線 AC, BD の交点を Q,2直線 AD, BC の交点を R とする.このとき,直線 QR は直線 PAB, PCD の取り方によらず定まり,この直線 QR を点 P の円 Γ に関する極線という.

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ナムのマル秘点の作図例で言えば,上図の点Pは三角形ABCの頂点Aに該当し,円Γは⊿ABCと交接する円であるから,円との交点A, B, C, D はF, KとJ, I に相当すると考えられるが,作図例にはAC, BD,およびAD, BCに相当する直線,すなわち,FJ, KI と FI, KJ のうち,KI は作図されていないため,交点Qは図面上には現れない.また,FIとKJの交点は2直線が平行に近い位置にあるため図面外に出てしまっている.⇒すべての交点が見えるようにアレンジしてみた.図面が混み合ってしまうが,上のモデルに従って直線を追加してみよう.

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上図の点線が点Aと円Γのよって定まる「極線」と考えられる.しかし,今のところ,この線とナムの三角図にはどのような関係も見出し得ない.他の2頂点も同様の極線を持っているはずなので,追加してみることにしよう.頂点Bの場合は,I, H, G, JがA, B, C, Dに相当するのでこれらを結ぶ直線を追加してみる.⇒一応,頂点A, B, Cに対応する3本の極線を引くことができた.

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確かに,これらが1つの点と円の関係によって定まることは明らかだ.頂点A, B, Cを移動すると,それらに関係する極線のみ変化し,他の2頂点に関するものは不動の位置に留まる.また円を移動すると3本の極線が同時に変化するので,点と円によって一意に定まっているということは明らかだ.ただし,よく見るとこれはそれほど不思議でも何でもない.円外の1点を通る2本の接線の接点を結べば,単純にこれらの極線が現れる.もちろん,ナムの三角図と無関係ではあり得ないとしても,ただちに何か言えるような直接的つながりは今のところ見当たらない.

円の中心O以外の任意の点を極とする極線が存在すると言っているのと実質的にはまったく同じことだ.従って,この極線を求めることは今の事例ではほとんど意味がないと考えられる.というか,この記事の筆者はそこから,「極線の別定義」を引き出しているので,無意味と言っては失礼になるかもしれない.⇒ここから,相反変換というのが導出され,それを使ってパスカルの定理を証明するというところまで進む.

パスカルの神秘六芒星図にはすべての交点と交線が書き込まれているかどうか確認しておこう.⇒少なくとも6点を結ぶ直線はすべて記入されている.それらの交点が確定しているかどうか確認する必要がある.直線は15本で,6角形の辺を除くと9本だから,1本の直線は8個の交点を持たなくてはならない.9本の直線をすべて確認した訳ではないが,一応8交点を持つということにはなっているようだ.

いや,交点のすべては描画されていない.また,これら交点を結ぶ直線,つまり極線は描かれていない.円の内部の交点が見落とされているようだ.⇒一応,「極線」を描画(点線)してみたが,パスカル線とはあまり縁がないような感じだ.

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これらの極線はすべて円より内側に描画されている.

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