1月分まで完了した.つまり,終わった!

2月分まで完了した.もう一息.

以下に複素数の反転に関する考察が展開されている.

2023/01/16 #016 ※41 複素数のべき 極座標で計算,数値解,複素回転,複素反転,オイラーの公式 三浦仁志,Fukuzo Kuroki,大橋弘樹,さかいおさむ,ティーティーエス

https://www.facebook.com/groups/2354748741306929/permalink/5789512174497218/

以下では以下のような記号を用いている.複素数zの複素共役をz*,をzの複素対称をz%=-z* とする.このとき,nを整数として,z%^n = (-1)^p(n) (z^n)*:p(n)=1 奇数n, p(n)=0 偶数n.このアイディアは黒木氏のコメントから派生したものだ.

Fukuzo Kuroki もし,(z%)^n = (z^n)%が成立しているとすると,それを一般化して以下のようなことが言える可能性があります.

複素数z=a+bi,zの複素共役a-bi=z*とする.複素平面の原点を通り実軸となす角度がθであるような直線φに対し,zの対称点となる点をzΦとする(記号ΦはzをzΦに移す対称移動を意味する).このとき,α=cosθ+isinθとして,zΦ=(z*)α^2である.(αは直線φと単位円の交点の極座標表示,この移動は原点からの距離を変えないので,複素回転と呼ぶことにしよう)

黒木の複素回転予想:θ=0,α^2=1のとき,zΦはzの複素共役z*である.(つまり,複素共役は複素回転の特殊な場合である)z*の符号を反転したものをz%と表記し,z%=-z*をzの複素対称と呼ぶ.θ=π/2のとき,zΦは虚軸に対称な点となり,このときα^2=-1であることから,zΦ=-z*=z%(複素対称)である.(z*)^n=(z^n)*であることは知られているが,(z%)^n=(z^n)%であり,さらに一般に拡張して (zΦ)^n=(z^n)Φであることが言える.

上記予想は既知なのでしょうか?それとも,誤り?

Fukuzo Kuroki ±i±1 の4つが対称関係にあり

z = a + bi とすると,① +i + 1 は 複素数 z,②複素共役 z* = a – bi が – i + 1,③複素対称 z% = – a + bi が + i -1,④原点対称 -z = z*% = z%* = – a – bi が – i – 1 に相当します.

Fukuzo Kuroki さすがに,一般の場合(複素回転 zΦ)は無理ですね.原点を中心とする円周上の2点P, Qの中点と原点を通る直線Lを考えると,P, Qは直線Lに対して対称位置にありますが,任意の2点P, Qのべき乗がすべて同じになるはずがありません.

しかし,上記の①複素数 z,②複素共役 z*,③複素対称 z%,④原点対称 -z に関しては成立するのではないでしょうか?これこそ,「黒木予想」の趣旨ではないかと思いますが… いや,やはり,何かしら条件が必要なのかもしれません.zの偏角をθ,冪の指数をkとして,kθが2πの倍数になっていれば十分のような気はしますが…

複素数のべき乗根 n√z は n 個あるはずなので,今の場合,8乗ですから,8パターンあり得るということではないでしょうか?n 乗根は原点を中心とする円周を n 等分した点になるはずなので,指数 k が偶数の場合に限り上記のようなことが言えるのだと思います…

以下では,「複素回転」を「複素反転」と言い換えてみました.複素反転は原点を通る直線を対称軸とする線対称変換です.

複素反転 Φとは以下のような複素平面上の座標変換である.原点 O を通る直線 ε と O を中心とする半径 1 の円周の交点を Φ とし,OΦ と実軸のなす角度を φ とするとき,直線 ε に対し複素数 z と対称位置にある点を z(Φ) と表記する.Φ = cosφ + isinφ である.複素反転 z(Φ) は複素数 z の複素共役を z* とするとき,z(Φ) = (z*)Φ^2で与えられる.z の複素共役 z* = z(1) であり,z の複素対称 z% = z(i) = -z(1) = -z* である.また,z の原点対称は z%* = z*% = -z である.

設問:(z*)^n = (z^n)* は任意の整数 n について成立するが,複素反転の等式

z(Φ)^n = z^n(Φ)    (A)

が成立するのはどのような場合か?

回答:複素反転 z(Φ) = (z*)Φ^2であるから,

z(Φ)^n = ((z*)Φ^2)^n = z*^n・Φ^2n  (1)

z^n(Φ) = (z^n)*・Φ^2 = (z*^n)Φ^2   (2)

(1)=(2)であるとすれば,z*^n・Φ^2n = (z*^n)Φ^2.この両辺を (z*^n)Φ^2 で除して

Φ^(2n – 2) = Φ^2(n – 1) = 1   (3)

(3)より,Φ が1の 2(n-1) 乗根である場合にはつねに z(Φ)^n = z^n(Φ) が成立する.つまり,Φ が 1 の偶数乗根であれば等式(A)はつねに成立する.

Φ = 1(複素共役),Φ = i(複素対称)の場合には(A)がつねに(無条件に)成立することは,(1),(2)式にΦ 値を代入することで確認できる.原点対称の場合はどうか?原点対称とは複素数 z の原点に対し点対称となる点であり,z の符号を反転したものであるから,z(Φ) = -z である.原点対称は O を通り Oz に直交する直線 ε を軸とする線対称と考えることもできる.Φ = zi / |z|.z・z* = |z^2| であるから,z / |z| = |z| / z* を用いて,Φ = |z| i / z*.(z = a + biとすれば,Φ = -b + ai)

z(Φ) = (z*)Φ^2 = (z*)・(|z| i / z*)^2 = -|z|^2 / z* = -z

これから,z(Φ ) = -z となり,確かに原点対称は Oz に直交する直線 ε に対する複素反転になっている.(原点対称は複素共役x複素対称=複素対称x複素共役でもある)

z(Φ)^n = (-z)^n = (-1)^n・z^n

(z^n)(Φ) = -(z^n)

から,原点対称の場合,指数が奇数であれば等式(A)が成立する.

複素反転で指数の奇偶でべき乗等式の成否が変化するというのは面白くない.複素反転の構成で,z(Φ) = (z*)Φ^2のようにΦの2乗が適用されていることが「偶数べき条件」が発生する理由になっていると考えられるので,これを書き換えて,z((T)) = (z*)Tのようなものを考えてみる.(二重括弧は「回転」のイメージです)

複素回転 T とは以下のような複素平面上の座標変換である.原点 O を中心とする単位円上の点を T とし,OT と実軸のなす角度を τ とする.T = cosτ + isinτ である.複素回転 z((T)) は複素数 z の複素共役数 z* を角度 τ だけ回転させたものであり,z((T)) = (z*)T で与えられる.z の複素共役 z* = z((1)) であり,z の複素対称 z% = z((-1)) = -z((1)) = -z* である.また,z の原点対称 z%* = z*% = (z*)((-1)) = z**(-1) = -z.つまり,複素回転変換は,①複素共役,②複素対称,③原点対称を含み,それらの自然な拡張になっている.

設問:共役複素数の n 乗は n 乗の共役複素数である.つまり,等式 (z*)^n = (z^n)* が任意の整数 n について成立するが,複素回転のべき乗等式

z((T))^n = z^n((T))    (B)

が成立するのはどのような場合か?

回答:複素回転 z((T)) = (z*)T であるから,

z((T))^n = ((z*)T)^n = z*^n・T^n  (1)

z^n((T)) = (z^n)*・T = (z*^n)T   (2)

(1)=(2)であるとすれば,z*^n・T^n = (z*^n)T.この両辺を(z*^n)T で除して

T^(n-1) = 1   (3)

(3)より,T が 1 の (n-1) 乗根である場合にはつねに等式(B)が成立することが言える.(1),(2)式に T 値を代入することで,T = 1(複素共役)の場合は,(nの値に関わりなく)つねに成立することも言える.T = -1(複素対称),T = ±i の場合には,指数 n が奇数であれば成立する.(T = -1 の場合は n >= 3,T = ±i の場合はn > 3)

原点対称 -z の場合,z(T) = -z = -|z^2| / z* = z*・-|z^2| / (z*)^2 = z*・-z^2 = z((-z^2)) であるから,T = -z^2.

(3)より,(-z^2)^(n – 1) = 1

(-1)^(n – 1)・z^2(n – 1) = 1

z^2(n – 1) = 1 / (-1)^(n – 1) = 1 奇数 n,-1 偶数 n

z^(n – 1) = 1 奇数 n,i 偶数 n

よって,原点対称では,指数が奇数の場合は z が 1 の n – 1 乗根,偶数の場合は z が i の n – 1乗根ならば等式が成立すると言える.

複素反転は対称軸を定めて,z の線対称点を得るという変換だが,複素回転は z の複素共役の単純な回転に過ぎない.複素回転は複素反転と同様,複素共役・複素対称・原点対称を含み,これらの変換の拡張とは言えるが,期待ほどの効果は見られなかった.複素回転の幾何学的な意味もやや不明ではあるが,いつか,どこかで役に立つこともあるのではないだろうか?

写真の説明はありません。

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